- トップページ
- NW-7
更新日:2024年11月20日
NW-7(別名Codabar)は、1972年にAmerican Airlinesのために発明されたバーコードシンボルで、数字(0?9)、記号(- : $ / . +)、アルファベットA、B、C、D(スタートとストップキャラクター)を表現することができます。バーとスペースのパターンで構成され、各キャラクターは7つの要素(4つのバーと3つのスペース)で構成されています。NW-7は必ずスタートキャラクターとストップキャラクターを持ち、これによりバーコードリーダーがバーコードの両端を識別できます。また、可変長のデータをエンコードすることが可能で、簡単にカスタマイズできる自在性を持ちます。NW-7はシンプルな設計であり、信頼性が高く、高速で読み取りやすいバーコードです。技術的側面では、各キャラクターが7つの要素で構成され、バーの幅は「狭い(N: Narrow)」または「広い(W: Wide)」の2種類があります。このため、「NW-7」という名称が付いています。また、必須ではありませんが、エラーチェック機能としてチェックデジットを追加することができるため、読み取りエラーのリスクを低減できます。
NW-7は、その特定の特徴と利点により、さまざまな業界で広く使用されています。まず物流と配送業界では、郵便番号、荷物の追跡、倉庫管理システムなどで利用されています。図書館では、図書の管理や貸出システムで使用され、図書のバーコードとしてローン・リターンプロセスを効率化します。医療サービスでは、ラボサンプルの識別、医療器具の管理、患者識別バンドなどに利用され、迅速かつ正確な管理が可能です。金融機関では、小切手や財務取引に関連するドキュメントの識別に使用され、航空業界では、チケットや荷物のタグ付けに使用され効率的な管理と追跡を実現します。NW-7の利点として、その簡易性とコスト効率があります。構造が簡単で、特別な印刷技術を必要とせず、コストも低く抑えられます。また、高い互換性と普及度があり、さまざまなバーコードリーダーやシステムで容易に解読できるため業界標準の一つとして広く受け入れられています。さらに、読み取り速度が速くエラー発生率が低いという特徴があり、特に現場でのアプリケーションにおいて信頼性が高いとされています。
NW-7にはいくつかの制約が存在し、特定の用途において他のバーコード規格と比較した場合の短所となります。第一にデータ密度の低さがあり、高密度なデータエンコードには向いていません。このため、簡単な数値や短いアルファベットといった低密度データに限られるケースが多いです。また、エラー訂正機能が欠如しているため、物理的な損傷や汚れに対する耐性が低く、定期的なメンテナンスが必要です。さらに、使用できる文字と記号の範囲が限定されており、用途が限定されます。NW-7は、そのシンプルさと高い信頼性から多くの業界で使用されている定番のバーコード規格です。低データ密度での簡易な識別用途に適しており、物流、医療、金融、図書館などさまざまな分野で広く活用されています。ただし、データ密度やエラー訂正機能に制約があるため、適用する際にはその特性を十分理解した上で適切な用途に選定することが重要です。このようにNW-7はその特徴を理解し、有効活用することで、さまざまな業界での効率的な運用を支える手段となります。