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更新日:2024年10月20日
BS7799は情報セキュリティ管理のための規範を提供する標準規格で、情報セキュリティ管理システム(ISMS)の設計、導入、監視、および改善のための指針を提供します。1995年にイギリスのBritish Standards Institution(BSI)によって発行され、その後国際標準ISO/IEC 27000シリーズに発展しました。情報セキュリティの重要性を認識し、安全な情報管理の基礎を提供する目的で策定され、2000年にISO/IEC 17799:2000として国際規格化、2005年にISO/IEC 27000シリーズに改訂されました。BS7799は情報セキュリティ管理のベストプラクティスとして広く採用され、徐々に国際的に認知されました。ISO/IEC 27001/27002へと進化し、現在も多くの組織がこれらを基に情報資産の保護を行っています。
BS7799は二部構成で、第一部のBS7799-1は情報セキュリティ管理のベストプラクティスをまとめたガイドラインであり、ISO/IEC 27002として国際標準となりました。14の主要ドメインに分類され、情報セキュリティポリシー、組織的セキュリティ、資産管理、人的セキュリティ、物理的および環境的セキュリティ、通信および運用管理、アクセス制御、システムの取得、開発、保守、インシデント管理、リスク管理、コンプライアンスなどが網羅されています。第二部のBS7799-2はISMSの設計、実施、監視、維持、改善に関する仕様書で、ISO/IEC 27001として発展し、認証取得の基準となりました。この部分はPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルに基づき、計画、実施、監視、改善の各プロセスで情報セキュリティ管理を行う方法を提供します。計画段階では情報セキュリティポリシー、目的、プロセス、手順を計画し、リスクアセスメントと対応を設計します。実施段階では計画された管理策を運用し、監視段階では管理策およびISMSの監視、レビューを行いパフォーマンスを評価します。改善段階では評価結果に基づいて継続的に改善を図ります。
情報セキュリティの重要性が増す現代において、BS7799および後継規格であるISO/IEC 27001/27002は、組織が情報資産を保護するために不可欠です。BS7799の適用による効果としては、法令遵守の支援、業務プロセスの洗練、信頼性の向上、インシデント対応能力の向上、継続的改善の推進が挙げられます。法令遵守の支援ではデータ保護法やプライバシー関連の法令遵守を容易にし、法的リスクを低減します。業務プロセスの洗練ではリスク管理を体系的に行い、業務プロセスの効率性と効果性を向上させ、顧客や取引先に対する信頼性を向上させます。インシデント対応能力の向上ではインシデント対応手順を確立し、セキュリティインシデント発生時の影響を最小化し迅速な対応が可能となります。継続的改善の推進ではPDCAサイクルに基づき、継続的に情報セキュリティ体制を改善し、最新の脅威に対処できるようになります。実際の適用ステップとしては、現状分析とリスクアセスメント、セキュリティポリシーと管理策の策定、実施と運用、監視と評価、改善が一般的です。組織が安全かつ効果的に情報を管理し、競争力を維持するためには、BS7799およびその後継標準に基づくISMSの導入が不可欠です。その結果、BS7799は情報セキュリティ管理の総合的なフレームワークを提供する重要なツールとして認識されており、組織の情報資産保護、リスク管理、持続的な改善に寄与しています。