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更新日:2024年09月10日
製品・技術マトリックス(Product-Technology Matrix)は企業がどの製品にどの技術を適用するかを視覚的に把握するための重要なツールです。このマトリックスを使用することで、新製品開発や研究開発戦略を策定する際に非常に役立ちます。一般に、このマトリックスは二次元の表形式で構成されており、横軸(X軸)には具体的な製品または製品カテゴリ、縦軸(Y軸)には適用される技術または技術カテゴリが配置されます。例えば、次のような形です。技術/製品の列には複数の製品(例:製品A、製品B、製品C)が含まれ、各技術(例:技術1、技術2、技術3、技術4)がどの製品に適用されているかが記載されます。製品・技術マトリックスを利用することで、いくつかのメリットがあります。
具具体例として、自動車メーカーの場合のマトリックスは以下のようになるかもしれません。例えば、技術/製品のカテゴリーには「小型車」、「中型車」、「高級車」が並び、それぞれの技術(例:電動パワートレイン、自動運転技術、軽量素材技術、高級インテリア技術)がどの車種に適用されているかが示されます。これによって、技術と製品の対応関係の明確化が可能となり、どの技術がどの製品に活用されているかを一目で把握することができます。次に、ギャップ分析を行うことで、未だ活用されていない技術がどの製品に適用可能かを検討します。このプロセスにより、技術の応用可能性が明確になります。また、マトリックスを使用することで、ポートフォリオ管理が容易になります。技術資産と製品ラインアップの現状を整理し、これからの研究開発の方向性を明確にします。
製品・技術マトリックスの主なメリットは、次の通りです。まず、効率的な資源配分が可能になります。具体的には、どの技術に多くのリソースを投入すべきかが明確になります。次に、戦略的優先順位の設定が容易になります。将来的な市場需要や技術動向を考慮しつつ、どの技術や製品開発を優先するかを決定することができます。さらに、組織間の連携強化を促進します。研究開発部門と製品開発部門のコミュニケーションを円滑にし、全体としての戦略を統一する助けとなります。このように、製品・技術マトリックスは企業が持つ技術資産を最大限に活用し、競争力を高めるための強力なツールです。企業が戦略的に技術と製品を組み合わせることで、市場での競争優位性を確保することが可能になります。