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- SPM(浮遊粒子状物質)
更新日:2024年11月10日
SPM(Suspended Particulate Matter、またはSuspended Particles Matter)は、空気中に浮遊している微細な固形粒子や液体の微粒子を指し、直径が10マイクロメートル以下(PM10)や2.5マイクロメートル以下(PM2.5)のものが多く、環境と健康への影響が非常に大きいです。主な物理的性質としては、粒径や組成が挙げられ、直径が10μm以下のものがSPMに該当し、特に2.5μm以下のPM2.5は健康への影響が重大です。SPMの組成は発生源や環境条件によって異なり、有機物、金属、硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩など多岐にわたります。この中には、火山噴火や土埃、海塩粒子、植物からの放出物といった自然由来のものもあれば、工業活動や交通機関、家庭用燃料、農業などの人為的なものも含まれます。SPMは一次粒子として発生するだけでなく、大気中の化学反応を通じて二次粒子としても形成されます。
SPMは環境および健康に多大な影響を及ぼします。健康面では、微細なPM2.5が肺に沈着することで喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、さらには長期的な曝露による高血圧や心筋梗塞などの心血管系疾患リスクがあります。妊婦や子供に対する影響も大きく、胎児の成長遅延や低体重出産、認知発達障害の可能性も指摘されています。環境面では、視程障害や酸性雨、气候変動への寄与等の問題があります。視程障害は大気中の粒子が光を散乱させるために発生し、酸性雨はSPMの一部が酸を含む雨として生じ、森林や建築物に悪影響を及ぼします。SPMの測定には重力沈降法、フィルタ式採取法、光散乱法、バルク運搬率法、化学分析といった多様な方法が使用され、多様な目的に対応します。重力沈降法では粒子の沈降量を計測し、フィルタ式採取法ではフィルタに通過させた空気中の粒子を捕集してその質量を計測します。光散乱法やバルク運搬率法は粒子の濃度を推定する手法であり、また化学分析を通じて粒子の成分を特定することが可能です。
対策と管理方法については、発生源対策、予防対策、法的規制に分けられます。発生源対策には、自動車排出ガスの規制や排ガス浄化装置の導入、産業排出の規制、フィルタ装置や集塵機の導入が含まれます。また、都市緑化や空気清浄機の利用といった予防対策が必要です。各国の環境保護庁(EPA)やWHO(世界保健機関)の基準に基づく法的規制も行われており、このような取り組みや技術革新を通じてSPMの影響を最小限に抑える努力が求められます。今後の持続可能な環境保護と人々の健康維持に向けて、SPMの適切な測定と対策が不可欠です。多様な発生源からの有効な対策とともに、技術革新により、SPMの影響を最小限に抑える努力が求められるでしょう。